半遊動の探り当てた感が好き アンバサダーdaisuke香川県西部の春チヌに挑む

 

電気ウキのチヌで釣りデビュー

 

釣武者アンバサダーとして活躍する香川県在住のdaisukeさんは、県西部の三豊市に生まれ育った。小学生のとき、釣り好きの父親に連れられて行った電気ウキのチヌで釣りデビュー。

「初めて行ってチヌが釣れて楽しかったのを覚えています。それから春休みや夏休みには夜の堤防へチヌ釣りに連れていってもらいのめり込みました」

親と出かけるのが恥ずかしくなる思春期に釣りから遠ざかり、再開したのは結婚して生まれた子どもが成長し、時間に余裕ができた29歳のころ。同じ自治会の6歳年下のAさんに誘われたのがきっかけだった。

「そのときに初めてフカセ釣りに挑戦したのですが、チヌは夜に釣るもんだと思っていたのが、昼間に釣れるのに驚きました。夜釣りと違って何をやっているのかすべてが見える。チヌがギラリと反転して上がってくる姿がすごくきれいで感動しましたね」

自宅から車で20分も走れば釣り場という環境だったこともあり、チヌ釣りに通い出したことはいうまでもない。

日中の釣りだからすべてが見える。そんなフカセ釣りにdaisukeは惹き込まれていった

 

シロモッチの釣りに憧れて

 

現在も地元ではスタンダードだという全遊動の釣りが秋山さんのスタイルだった。

「いまでも多分、全遊動の方が簡単に釣れると思いますが、10数年前にシロモッチの釣りを見てからは半遊動がメインになりました。ウキ下をきっちり決めて狙うスタイルに憧れたのと、実際に半遊動で釣ったときの探り当てたという達成感が、チヌ釣りをより一層面白くしてくれたんですよ」

秋山さんに多大な影響を与えたシロモッチ

 

ステージは香田の波止

 

そんなdaisukeさんが2026年の4月上旬に訪れたのは、荘内半島東部に位置する香田の波止。昨年の乗っ込み期には40cmオーバーを2ケタ釣った場所だそうだが、今はまだ“走り”の状態。果たしてどんな釣りが繰り広げられるのだろうか。

波止の付け根はコンクリートの垂直護岸。中程から先端にかけては石積みになっており、daisukeさんは先端部に釣り座を構えた。

干満で潮の向きが変わり、下げ潮は荘内半島先端へ向けて左に、上げ潮は右前に見えている志々島向きに流れるとのこと。

「左沖には岩礁帯があって、そちらへ流れる下げ潮が本命。上げ潮は激流になることが多くて、潮の中で喰いそうなんですが、なぜか喰わないんですよ。緩い流れのときを狙うか、潮が速くなり出したら引かれ潮から入れていって、ぽつりぽつりという感じですね」

干潮は午前8時だが、流れの向きが変わるまで少しタイムラグがあり、下げ潮の流れが続く10時ごろまでがチャンスとのことだ。

荘内半島の東部に突き出す香田の波止

潮通しがよくチヌの魚影は濃い。満ち潮は左から右沖、引き潮は右から左へ流れる

 

鬼馬ウキの半遊動

 

daisukeさんのタックルは、チヌ竿0.4号5.3mにLBリール。道糸1.5号、ハリス1.5号を2ヒロ。チヌバリ2号。ウキはよく飛びアタリも明解な鬼馬棒の3B。ストッパー直下に落としオモリ2B+浮力調整用のG7、ハリスには喰わせオモリG4を打つ。

「乗っ込み本番になれば、それこそ矢引きとか海面近くまで浮いてくるんですけど、まだそこまでは浮いてこないので、底近くを狙います」

視認性がよく自重もあってよく飛ぶ鬼馬棒なので、雨天の釣りでも活躍する

糸落ちもスムーズで素早く確実にタナが取れる鬼馬棒。写真はBBだが釣り開始時は3Bでスタートした

竿1本のウキ下で午前7時15分に釣りをスタートした。

なぜか右に流れていた潮もすぐに左へ変わり、左沖に点在するシモリへ向けて仕掛けを流し込んでいく。どんよりと曇った空からしとしとと雨が降り出すなか、釣り開始から30分ほどで竿を曲げたのは27〜28cmのグレ。潮通しのいい香田の波止は、チヌやグレのほかに40〜50cmのマダイも喰ってくるそうだ。

その後雨足が強まり釣りを中断。10時過ぎまで車で待機することになった。

最初に姿を見せたのは丸々としたグレだった

 

20年来の釣武者愛

 

「釣武者という言葉の響きが荒々しくてよかったのと、漢字のロゴも英語の筆記体のロゴもかっこよくて、かれこれ20年ぐらい前から釣武者ファンなんです。自宅には“変態の舘”という釣り部屋があるんですが、古くなって使わなくなっても愛着がわいて捨てられないので、大物から小物、ウエア類など釣武者製品でいっぱいですよ」

なんて話を聞かせてもらっているうちに雨も上がり釣りを再開。下げ潮が緩く残るもののサシエが取られないことから、ウキ下を50cmほど深くして打ち返していると、ウキを小さく押さえるアタリでサシエを取られた。次の一投。左斜め15mぐらいのところで誘いをかけたあと、鬼馬棒が消し込まれた。

鬼馬棒の視認性は抜群だ

大きく竿を曲げて、ゆっくり引きを楽しみながら取り込んだのは40cmほどのチヌ。待望の1尾にdaisukeさんの頬も緩む。

「鬼馬棒は、スコーンと入るウキ入れが面白いし、どれだけ誘いをかけたのか、誘い幅がトップの動きで分かりやすい。どっしり安定していて誘いを入れても位置がズレにくいのもいいですね」

誘い幅はその時々でチヌの反応が変わり、大きいときで30cm、小さいときで15cm。この1尾は大きめに誘ったあとにヒットした。

 

気持ち良く竿が曲がる。じっくりやり取りをして取り込んだは40cmクラスのチヌだった

 

手軽ながら奥が深いのが魅力

 

daisukeさんの場合、冬場はグレを求めて宇和海方面へ足を伸ばすが、チヌは地元の堤防で1年を通して楽しんでいる。

「釣りの予定はなくても朝早く目覚めたから行ってみようとか、宇和海はシケで渡船が出ないので、チヌ釣りにチェンジみたいな手軽さが魅力です。いとも簡単に釣れるときもあれば、粘って粘って何とか1尾にたどりつくなんてこともある。身近な海に潜む好敵手。そんな奥深さが魅力ですね」

お昼前には志々島に流れる満ち潮に変わったが、心配していた激流にはならない。流れの中に仕掛けを流し込んでいくと30cmほどのマダイがヒット。その後はサシエが残りっぱなしになったことから、時折海藻がハリに掛かってくるまでウキ下を深くして底べったりを徹底的に狙っていく。

右沖へと流れていく満ち潮にマキエを打ち込む

流れの中で喰ってきたのはきれいなマダイだった

潮が速さを増す中、右側の引かれ潮からマキエと仕掛けを入れて流し込み、本流との合流ポイントで誘いを入れるとすぐ、鬼馬棒がスポーンと引き込まれた。

流れに乗って走ったあと、時折見せる節のある締め込みはチヌっぽい。やがて海面下にギラリと銀色に輝く魚体が見えた。タモに収まったのはミドルクラスのきれいなチヌだった。

浮かせてきたチヌにタモが伸びる

驚異の遠投力とコントロール性能を誇る丸型ウキにオモリ負荷のバリエに富む「月てち」が加わった。チヌ釣りの強いウエポンになってくれるはずだ

 

安く渡れる粟島も魅力いっぱい

 

「例年だとこれから5月末までが数が釣れる最盛期。その後もコンスタントに釣れますが、夏場は暑いので朝の3時間とかの釣りになりますね。秋はオセンやフグなどの餌取りが多いので、一年を通しても最も難しい時期。冬は大型が期待できます」

香川県でも荘内半島周辺は特に魚影が濃いとのこと。ただし釣り禁止の漁港も少なくないので、そこは気を付けてほしい。この日、目の前に見えていた粟島は定期船で片道330円。渡ってしまえばポイントも多いそうなので、出かけてみるのも悪くないだろう。

そうした荘内半島周辺のチヌ釣り情報は、daisukeさんインスタグラムdaisuke_rock_hopperを要チェック。

銀ピカのきれいな魚体が楽しませてくれた

海水がはれて魚に優しく計測や撮影ができるプールメジャー